こんにちは、HALHAREです。
CHANGE MIYAZAKI 〜人がつながる新時代の経営〜
シリーズとして10記事の連載形式で、広報採用や人材不足、業務委託、フリーランスを含めたチーム設計等に関して記事を執筆していきます。
今日は宮崎の企業経営者のみなさんに、胸を痛める現実についてお話ししたいと思います。
「あと1人でいいから人が欲しい…」
「このままでは仕事を受けられない…」
「社員が疲弊して辞めていく…」
こんな声が県内の企業から日に日に大きくなっています。皆さんの会社でも、似たような悩みを抱えていませんか?
衝撃データが示す宮崎の現実
宮崎県内の人手不足は、全国平均を上回る深刻さです。
2025年2月発表の九州経済調査協会の資料によれば、宮崎県の生産年齢人口比での人手不足感は九州でもトップクラス。
また、宮崎県商工会議所の最新調査では、県内企業の68%が「深刻な人材不足」に直面しているという結果が出ています。
さらに、過去3年間で宮崎県内の中小企業の倒産・廃業のうち、約15%が「人材確保の困難さ」を主因としています。
これは単なる人手不足ではなく、企業の存続にかかわる「人材不足倒産」のリスクが現実のものとなっていることを示しています。
参考資料
公益財団法人九州経済調査協会
株式会社 影山鉄工所
AIG損保
現場から聞こえる悲痛な声
延岡市で30年以上続いた建設会社A社の田中社長(仮名)は、涙ながらにこう語ります。
「技術者が高齢化して、若い人が入ってこない。いい仕事の依頼があっても、人手が足りなくて断らざるを得ない状況が続きました。最終的に事業規模を半分に縮小せざるを得ませんでした。創業者の父から引き継いだ会社なのに…」
都城市の製造業B社では、
受注増に対応するため、社長自ら現場に入り、休日返上で働く日々が続いています。「このままでは社員が倒れる。でも募集をかけても応募がない。どうすればいいのか…」
なぜ若者は宮崎から離れるのか
宮崎県の若年層(15〜29歳)の県外流出は年間約2,200人。特に大学進学時と就職時の流出が顕著です。
県内の高校生に実施した意識調査では、
- 「県内に魅力的な仕事がない」と感じている:67%
- 「給与面で都市部に劣る」と考えている:78%
- 「キャリアアップの機会が限られる」と心配している:72%
若者が宮崎を離れる理由は、単に都会への憧れだけではなく、将来のキャリアに対する現実的な懸念が大きいことがわかります。
参考資料
宮崎県県庁
人材不足がもたらす「目に見えない損失」
人材不足の影響は、単に「人手が足りない」という問題にとどまりません。
- 社員の過重労働と疲弊:少ない人数で業務をカバーするため、社員一人あたりの負担が増加。健康問題や離職につながります。
- サービス品質の低下:余裕をもった対応ができなくなり、顧客満足度が下がります。小さなミスが増え、信頼を失うことも。
- 新規事業・案件の機会損失:人手不足を理由に新しい仕事や事業機会を断ることになり、将来の成長の芽を摘んでしまいます。
- 社内の知識・技術の継承困難:ベテラン社員の知識や技術を次世代に伝える余裕がなくなり、会社の強みが失われていきます。
- 経営者の精神的負担:すべてを自分で背負わなければならない状況は、経営者の心身に大きな負担をかけます。
今日から始める人材確保5ステップ
では、このような状況の中で、宮崎の企業ができることは何でしょうか?
すぐに始められる5つのステップをご紹介します。
ステップ1:採用戦略の見直し
従来の「求人広告を出して待つ」という受け身の採用では、もはや人材は集まりません。
SNSを活用した情報発信、社員紹介プログラムの強化、インターンシップの積極的受け入れなど、複数のチャネルを組み合わせた戦略が必要です。
ステップ2:「巻き込み型経営」への転換
正社員にこだわらず、副業人材、プロフェッショナル人材、フリーランス、業務委託など、多様な働き方を受け入れる「巻き込み型経営」に転換しましょう。特に専門性の高い業務や一時的に必要な業務は、外部の力を借りることで効率的に進められます。
ステップ3:働き方改革で魅力アップ
リモートワーク、フレックスタイム、短時間勤務など、柔軟な働き方を導入することで、子育て世代や介護を担う人材など、これまで働きにくかった層にもアプローチできます。小さな会社だからこそ、一人ひとりに合わせた働き方を提供できることが強みになります。
ステップ4:会社の魅力を再定義し発信
なぜこの会社が存在するのか、どんな価値を社会に提供しているのか、この会社だからこそできる仕事は何か—これらを明確にし、発信することが大切です。
給与や福利厚生だけでなく、「この会社で働く意味」を伝えられるかが、人材確保の鍵を握ります。
ステップ5:地域ネットワークの活用
宮崎県内の商工会議所、中小企業支援センター、UIJターン支援機関など、様々な支援機関が人材確保のサポートを行っています。
また、同業他社との連携で共同採用や人材シェアリングの可能性も探ってみましょう。
宮崎の企業だからこそできること
都市部の企業と同じ土俵で戦うのではなく、宮崎の特性を活かした人材確保が重要です。
豊かな自然環境、暮らしやすさ、地域とのつながり、そして何より「一人ひとりが会社の成長に直接貢献できる」という中小企業ならではの魅力を前面に出しましょう。
県内の就職支援機関「みやざきUターンネット」担当者は次のように語ります。
「実は、都市部での仕事に疲れた30代、40代の方々が、地方での仕事に関心を持っています。彼らが求めているのは、キャリアを活かせる場所と、ワークライフバランスが取れる環境です。宮崎の企業はその両方を提供できる可能性があります」
明日からの一歩を踏み出そう
人材不足は確かに大きな課題ですが、発想を変え、行動を変えることで、必ず道は開けます。
大切なのは、「従来の当たり前」にとらわれず、新しい人材確保の方法に挑戦する勇気です。
HALHAREでは、これからも宮崎の企業の人材確保を支援するための情報や事例を発信していきます。
次回は「中小企業こそ『巻き込み型経営』!正社員にこだわらないチームの作り方」をテーマにお届けする予定です。
あなたの会社の人材確保に関する悩みや工夫を、ぜひSNS等でシェアしてください。みんなで知恵を出し合い、宮崎の企業の未来を明るくしていきましょう。
HALHAREプロフィール
宮崎の企業の成長と地域活性化を支援するメディア。
企業の人材確保から新規事業開発、デジタルマーケティング一貫設計まで、実践的な情報を発信しています。
「みんなで創る、みやざきの未来」をモットーに活動中。
「USAGI DUNGEON」アートプロジェクト始動
ローカル地域からアートクリエイティブを発信する。
MIYAZAKI×アートクリエイティブ×エンタメ
宮崎を舞台にUSAGIと黒USAGIをモチーフにしたデジタル世界を構築し、現実に侵食させるアートプロジェクト
