「採用しても辞める」悩みから抜け出すヒント
「求人を出しても応募がない」「やっと採用してもすぐに辞めてしまう」――。
2025年現在も、こうした声は宮崎県内の企業から多く聞こえてきます。特に中小企業や地域密着型の事業者にとって、人材の確保と定着は大きな経営課題です。
この悪循環を断ち切るには、単に採用手法を見直すだけでなく、「採用の発想」を根本からアップデートする必要があります。
2025年、なぜ「いい人が来ない」のか?|地方採用のリアル
求人メディアの飽和
求人媒体が乱立し、都市部や大企業の募集に埋もれてしまい、地方企業の求人は見てもらうことすら困難になっています。
ミスマッチによる早期離職
厚生労働省の調査でも、中小企業での半年以内離職率は依然40%超。
社風や仕事内容とのギャップが、定着の壁になっています。
採用疲れの連鎖
「人が来ない → 現場が疲れる → 働き方が過酷に → さらに採れない」という負のスパイラルが慢性化している現場も。
キーワードは“巻き込み”|新しい人材戦略のかたち
「巻き込み型人材戦略」とは?
雇用にこだわらず、多様な関わり方で人材とつながるアプローチ。フルタイム正社員に依存せず、柔軟で持続可能な人材活用が可能になります。
巻き込み型の具体例
- 副業・兼業人材の登用(都市部在住のリモート副業者、プロボノ)
- 業務単位の外部委託(クラウドワーカー、スポット支援)
- 学生インターンやゼミとの連携
- OB・元社員(アルムナイ)の再活用
- UIターン人材とのプロジェクト連携
今日からできる!3ステップの導入方法
STEP1:仕事を“分解”してみる
業務を細かく整理し、外部人材や副業者に任せられる単位を明確化します。
例:SNS運用 → 副業マーケター/採用広報 → 外部ライター/営業リスト作成 → リモートアシスタント/DX推進 → 学生チーム
STEP2:「関わりたい人」と出会う
- 副業人材マッチングサービス(Skill Shift、YOUTRUST、Offersなど)
- 地元大学・専門学校との連携
- UIターン希望者との交流機会(移住イベント、地域コミュニティ)
ポイント:「求職者」ではなく「関わりたい人」を探す視点に切り替えること。
STEP3:「巻き込み文化」を社内に育てる
- Slack・Notion・Zoomなどを活用し、社外人材と自然に連携できる環境を整える
- 成果だけでなく「関わり方」や「姿勢」も評価
- 「社内外」の垣根を取り払い、共創を前提とした企業文化を育てる
宮崎だからこそできる「巻き込み型」の強み
- 自然・食・人柄による移住希望者の関心の高さ
- 低コストでの生活・リモートワーク環境の整備
- 地元愛や人とのつながりを重視する文化
- 行政や地域の支援制度が充実
実際の導入事例(2024〜2025)
▶ 宮崎市:副業・兼業プロ人材活用プロジェクト
Skill Shiftなどと連携し、都市部のプロフェッショナルを企業の課題解決にマッチング。相談会や交流会も開催され、地域に新しい風が吹いています。
▶ 他県でも成果多数!
- SNS運用を副業マーケターに委託 → 応募数が大幅増
- 学生との共創プロジェクト → 離職率が大幅低下
- デジタル業務のクラウドワーク化 → 内部負担が半減
2025年人材戦略のトレンド4選
- AIツールの積極導入による業務効率化
- リスキリング・アップスキリングによる人材育成
- 副業・兼業・アルムナイなど多様な働き手の活用
- ジョブ型・関係性重視の評価制度への移行
明日から使える!巻き込み型チェックリスト ✅
✅ 求人だけでなく、仕事を分解して切り出す視点を持っている
✅ “採用”ではなく“巻き込み”を意識している
✅ 副業・学生・OBなど、多様な人材との接点がある
✅ 巻き込んだ人を「外注」ではなく「仲間」として扱っている
✅ 宮崎の“地の利”を人材戦略に活かしている
まとめ|採用できないなら、“巻き込めばいい”
これからの時代、採用とは「雇うこと」ではなく「関わること」へと進化しています。
いきなり大きく変えなくても大丈夫。小さな一歩からでも、組織は変わりはじめます。
宮崎発・巻き込み型人材戦略。
人と地域と未来を、もっと自由につなげていきましょう。