宮崎県に本当に足りない
「たった一つの組織像」とは何か
20年分の停滞を突破するための設計思想
宮崎県には、優秀な企業がある。
AGRISTのように世界を見据えた農業AI企業もある。
ライトライトのように、事業承継を通じて地域経済の根幹を支える企業もある。
都城市のように全国トップクラスの自治体DXモデルも存在する。
にもかかわらず、なぜ宮崎は
「働きやすい」「挑戦しやすい」「住み続けたい」
という実感を、県全体として持てていないのか。
答えは、能力や努力の不足ではない。
"組織構造"が一つ、決定的に欠けているだけだ。
結論
宮崎に足りないのは
「産業編集組織」である
なぜ今まで宮崎は伸び切らなかったのか
成功が"点"で終わってきた
宮崎では、これまでも成功事例は生まれている。
- 農業の先進事例
- 観光コンテンツ
- 地域密着ビジネス
- 行政DXの成果
しかしそれらは常に単発で終わってきた。
人材が循環せず、蓄積されない
宮崎の若者は外へ出る。外から人が来ても、定着しにくい。
なぜか。
- 挑戦すると生活が不安定になる
- 失敗すると居場所がなくなる
- 副業・複業の仕事が点在しているだけ
社会減の主要因
情報が"発信"で止まり、"編集"されていない
宮崎には情報はある。しかしそれは、
- バラバラ
- 内向き
- 文脈がない
宮崎に必要な"1つの組織像"
それは「第3の存在」
✗ 行政でもない
✗ 企業でもない
✗ ただのメディアでもない
役割はこの4つを同時に担うこと
① 産業を"横断編集"する
農業 × AI × デザイン
観光 × 映像 × ストーリー
行政DX × 民間プロダクト
事業承継 × 移住 × 仕事
これらを意図的につなぐ。
② 人を"循環させる"
正社員だけに依存しない
複業・委託・プロジェクト型
地元 × 外部人材の混成チーム
「宮崎に関わる人口」を増やす装置。
③ IP・物語を生み出す
数字や制度では、人は動かない。
- 語れる象徴
- 誇れる物語
- 参加したくなる世界観
これを意図的に設計・発信する。
④ 実験できる"場"を持つ
小さく試す
失敗しても次がある
すぐ改善できる
リアルとデジタルを横断した「地域実験場」として機能する。
🛤️ 実装の流れ(ワークフロー)
正しい役割分担モデル(三層構造)
🏗️ 宮崎を変える組織構造
- ビジョン提示: 「何を目指すか」を明確化
- 予算確保: 年間5,000万〜1億円規模
- 成果評価: 売上・継続・雇用で測定
- 民間企業数社: 固定メンバーではなくプロジェクトごとに編成
- 役割分担あり: デザイン・技術・マーケティング等
- 収益責任あり: 成果が出ないと継続できない仕組み
- 地元企業
- 個人事業主
- クリエイター
- 農家・現場
なぜこの形が宮崎に必要か
宮崎の課題は「人が少ない」「産業が分散」「失敗が許されない」
だからこそ、個人の熱量に依存しない構造として回る仕組みが必要。
なぜ県・市・商工会・財団は機能していないのか
構造的問題の本質
支援する側が「事業を回した経験」をほとんど持っていない。
これが根っこにある問題です。
| 項目 | 既存支援組織 | 必要な新組織 |
|---|---|---|
| 評価軸 | 実施件数・参加人数 | 売上・雇用・継続率 |
| 担当者 | 2〜3年で異動 | 専任・事業経験者 |
| リスク | 失敗できない | 失敗前提で設計 |
| つなぐ役割 | 名刺交換で終わり | 継続的な伴走 |
| 支援対象 | 安全な事業のみ | 尖ったアイデア歓迎 |
| 立場 | 上から目線 | 横並び・対等 |
支援ではなく「一緒にやる側」が必要
宮崎に必要なのは「支援」ではなく「一緒にやる側の組織」
❌ これまでの支援組織
- 上から目線
- 単発
- 制度中心
- リスクを取らない
✅ これから必要な組織
- 横並び
- 継続
- 現場中心
- リスクを分け合う
なぜ「一体感」が生まれないのか
宮崎には"情報"はある。でも"日常の接点"がない
正直に言うと、宮崎にはすでに多くの取り組みが存在しています。
求人媒体もある。観光情報の発信もある。地域メディアもある。
商工会、県、市町村、それぞれがそれぞれの役割で動いている。
「何もやっていない」わけではない。むしろ、やっている。
それなのに、なぜ
「宮崎の企業としての一体感」
「企業同士の横のつながり」
「日常的な情報共有」
が生まれないのか。
理由はシンプルです
- 連携が"イベント"で止まっている
- 年に数回の会合 → 名刺交換 → 形式的な意見交換 → また日常に戻る
- この繰り返しです。
日常的に混ざる場所がない。これが最大の問題です。
役職ごとに分断されている"見えない壁"
社長は社長同士
経営者層のネットワークは強いが、現場の声が届きにくい。
役員は役員同士
戦略的な会話は成立するが、実行レベルの情報が不足。
担当者は担当者同士
実務の共有はあるが、役職を越えた発信は難しい。
でも、現実はどうか
営業や企画、現場の社員が知っている情報のほうが、社長や役職者よりもリアルで、今すぐ使えることは山ほどある。
これはどの会社でも当たり前の話です。
にもかかわらず、
- 空気を読む
- 間違えたら怖い
- 立場的に発言しづらい
そんな理由で、情報は会社の外に出てこない。
資本主義の当たり前
同業他社があるのは資本主義では当たり前。
比較されるのも、健全な市場では当然のこと。
それを避け続けた結果、
何も混ざらず、何も生まれなくなっている。
本当に必要なのは「新しい組織」ではない
本当に必要なのは
肩書きを一旦外して
「宮崎で働く人」として
日常的に会話できる"場"
それだけです。
Slackでも、Discordでもいい。
重要なのは毎日触れる距離感。
一体感は理念からは生まれない。
毎日の雑談からしか生まれない。
行政でも商工会でもない「第3のレイヤー」
なぜ公的機関では作れないのか
この手の場は、行政・商工会・公的団体では正直つくれません。
⚖️ 公平性
特定企業や個人を優遇できない
📋 責任
失敗や炎上のリスクを取れない
👁️ 管理コスト
全ての発言を監視・管理する必要
フラットさと相性が悪すぎる。
企業間の自然な連携
「これ誰詳しい?」「一緒にやらん?」が日常的に起こる
人材の横断的なつながり
孤独にならない。県外に行かなくても刺激がある。
「宮崎でやれる」実感
東京に行かなくても、ここで挑戦できる。
社長も助かる
現場の声が入る。他社の実情が見える。判断精度が上がる。
📊 データで見る宮崎の現状
数字が示す構造的課題
(2040年には約89万人予測)
進学・就業期の県外流出
新規学卒者の県内就職率が低い
人口減少の二重構造
💡 構造的課題の整理
- 人材流出: 挑戦すると生活が不安定、失敗すると居場所がなくなる
- 産業分散: 成功事例が横につながらず、単発で終わる
- 情報断片化: バラバラで文脈がなく、全体像が見えない
- 支援機能不全: 実施件数重視で、成果(売上・雇用)を追わない
- 挑戦不可能: 失敗が許されず、尖ったアイデアは県外へ
停滞の理由
人が無能だからではない。
構造が「挑戦を殺す形」だから。
そして今、あなたが読んでいるこの記事は——
その構造の"外"に、新しいレイヤーを作ろうとしている
✨ 参考モデル: 全国の成功事例
リビングラボ
双方の地域課題を、双方の市民や企業が解決し合う仕組み。
特徴:
- 自治体同士の課題共有
- 市民・企業の横断参加
- 実験的プロジェクトの継続実施
宮崎への示唆:
- 県内複数市町村 + 県外都市の共創可能性
- 課題を「資源」として捉える視点
熱意ある地方創生ベンチャー連合
行政とベンチャー企業の架け橋として地方創生を推進する一般社団法人。
特徴:
- 企業連合による機動力
- 自治体との対等な関係
- プロジェクトベースの編成
宮崎への示唆:
- 固定メンバーではなく、案件ごとの最適編成
- 民間主導で行政と協働する仕組み
官民共創未来コンソーシアム
自治体と企業の双方向対話を通じて、地域課題を社会課題として再定義。
特徴:
- 立場を超えた手の取り合い
- 新たな価値の共創
- 実践重視のアプローチ
宮崎への示唆:
- 「支援」ではなく「共創」の関係性
- 対話を設計の核に置く重要性
🗓️ 実現までのロードマップ
フェーズ1: 対話の場づくり
宮崎で働く人が肩書きなく話せるコミュニティスペース(オンライン/オフライン)を立ち上げ。毎日触れる距離感を重視。
フェーズ2: 実験プロジェクト始動
産業横断の小規模プロジェクトを10本同時スタート。現場企業・個人を巻き込み、成功パターンを検証。
フェーズ3: IP・メディア構築
成功事例を可視化・編集し、宮崎独自のIPとして発信。関係人口を増やし、人材循環モデルを確立。
宮崎は、何もないんじゃない。
つなぐ仕組みがないだけ。